腎臓病に良い飲み物・悪い飲み物

腎臓病の飲み物

体に一番良い飲み物は何も入っていない、自然の水だと言われています。とはいえ、ただの水だけを飲むのも味気ないもの。

お茶の習慣など、嗜好や楽しみ、団らんとしての水分摂取も大切です。腎臓に負担のかかりやすい飲み物と、腎臓に優しい飲み物を知って、安全に水分を補給しましょう。

腎臓にいい飲み物

麦茶

お茶の中では麦茶がおすすめです。麦茶は腎臓に負担をかけるカリウムの含有量が少なく、利尿作用のあるカフェインが含まれていないため、水分補給の効率もいいのが特徴。

夏場に冷やして飲むイメージの強い麦茶ですが、温かい麦茶も甘みや香ばしさが感じられ、おいしいものです。冬場はぜひ温茶で楽しんでみてください。

紅茶

紅茶も比較的カリウムが少なく、腎臓に負担がかかりにくい飲み物です。

砂糖や生クリームを加えることで、腎臓病患者が進んで摂取したいカロリーを増やすことができるのも利点。ノンカフェインのものを選ぶとより腎臓への負担を軽減できます。

無果汁のジュースや炭酸飲料

果汁の含まれるジュースはカリウムの含有量が多く控えなければなりませんが、無果汁のものにはほとんどカリウムが含まれず、安心して楽しめます。

コーラやサイダーもおすすめです。無果汁の炭酸飲料は爽快感があり、ストレス軽減にも繋がります。

腎臓に悪い飲み物

野菜ジュース、トマトジュース

果汁飲料以上に気を付けるべきなのが野菜ジュースやトマトジュースです。
野菜ジュースと聞くと、体によさそうなイメージがありますが、腎臓に疾患のある方は野菜ジュースは避けるべきです。

カリウムの含有量が高く、商品によっては塩分も含まれているため、飲まないようにしましょう。

赤ワイン、黒ビール

病状によっては、飲みすぎない程度であればお酒を飲んでもいいと言われる場合もあります。

しかし、カリウムの多いお酒は避けたほうがいいでしょう。特にカリウムが多いのは赤ワインと黒ビールです。飲む場合は、白ワインや普通のビールなど、他のお酒にしておきましょう。

玉露

お茶の中で避けるべきなのは、日本茶の玉露です。

カリウム・カフェインの含有量が群を抜いて多く、おすすめできません。ペットボトルの緑茶は比較的カリウムが少ないので、日本茶を飲みたい場合には活用するのも良いでしょう。

乳飲料、豆乳

乳飲料や豆乳も健康に良いイメージがありますが、腎臓の負担を考えると避けなければなりません。

カリウムが多いだけでなく、タンパク質が含まれている点でも、乳飲料や豆乳を選ぶべきではないでしょう。

腎臓病と水分制限について

排尿障害がない場合

排尿障害がなく、尿毒素適切な濃度で排泄できている場合は、腎臓病であっても水分の摂取量を制限されることはありません。

脱水症状が腎機能をさらに低下させる契機となる場合もあるので、逆に水分を多めに摂り、脱水にならないよう注意を促されることもあります。

しかし、水分を多く摂ることで病状が改善するわけではないため、過剰に摂りすぎないよう気をつけましょう。

希釈尿が出ている場合

腎臓の機能が低下し尿毒素を濃縮できなくなると、薄い尿(希釈尿)が出るようになります。

希釈尿が出ている場合は、尿毒素を充分に排出するため、水分を多く摂るよう指示されます。

排尿障害が起こると

腎機能が著しく低下すると、尿があまり出なくなります。こうなると体内の余分な水分が排出できず、体にむくみが現れるでしょう。

むくみが進行すると体液が増え、心臓や他の臓器に負担がかかることになります。排出される量以上の水分を摂取しないよう、水分量を制限しなければなりません。

人工透析が必要な場合

末期の腎臓病になると、尿がうまく作られず摂取した水分を自分で排せつすることができなくなります。

余分な水分は体重の増加に繋がり、排出はすべて人工透析に頼ることに。
水分を多く摂取していると、透析の際に血液から多くの水分を取り除かなければならなくなります。

この時、急激に血圧が下がることがあり、安全に透析を行う為にも厳密な水分制限が必要になります。

人工透析の水分制限は1日に500~600ccとかなり厳しいもの。
汁物や煮物の汁など、食事からの水分摂取も避けます。

自己判断はNG

腎臓病の水分制限は、病状だけでなく、体重や代謝量などによって厳密に計算されています。

控えすぎや、摂りすぎはかえって症状を悪化させる原因になることも。主治医の指示に従い、水分摂取量を守り、カリウムや塩分に気を付ければ甘いジュースや炭酸飲料、お茶なども楽しむこともできます。